KOKOROE

お互いにミュージシャンであり、作家としても親交のある河上氏とのコラボレーションが、ついに実現しました。

制作にあたっては、日本古来より“勝ち虫”として縁起の良い存在とされるトンボを蒔絵で描き、さらに鶉研ぎの技法を取り入れた特別な一点をオーダーしました。
どちらの角飾りにも日本の伝統的な装飾文様で、ハート形に似た形をした猪の目 (いのめ)」をデザインに取り入れています。
猪の目は特に寺社仏閣の建築装飾や、刀剣の装飾などに用いられ魔除けや招福、災いを払いの意味が込められており、良いことを呼び込むとされています。

このバッグに名付けた「こころえ」という言葉には、「技芸を身につける者として、その心構えを常に忘れずにいるべき」という想いが込められています。
それこそが、匠の技を研ぎ澄ます根源であると私たちは考えています。

今回の取り組みを通じて、ガラシャとの融合が、河上氏の優れた匠の技をさらに異なるジャンルへと広げる契機となることを願っています。


河上 正史

正志作 / 正志工房
正志工房は、ヘラ鮒釣りとタナゴ釣りの釣具を製作する工房です。
伝統工芸の技法を駆使して作られる釣具は、製作者の正志氏自身がヘラ鮒やタナゴ釣りを深く愛しているからこそ、細部にまでこだわり、使い手のことを考え抜いて作られています。その製作歴は40年を超え、長年の経験と熟練の技術が光ります。
「細部まで丁寧に」をモットーに、一つひとつ心を込めて作られた釣具は、その繊細で美しい作風から多くの釣り愛好家を魅了し、高い人気を誇っています。
まさに、伝統の技と釣りへの情熱が結実した芸術品です。

【技法】
<ハンドル>
材料は黒檀の無垢材から削りだし飾りは浮き彫り。全体を赤路風の梨地で塗り
飾り周りは黒地に荒目の金粉の金梨地。ロゴは銀丸粉による銀蒔絵

<角飾り 右>
材料は黒檀板から切り出し整形。塗りは山立てした後に色を何重にも塗り重ね
研ぎ出した『鶉研ぎ』技法。Gの文字は銀丸粉と漆による色蒔絵。

<角飾り 左>
材料は黒檀板から切り出し整形。 塗りは梨粉と漆による金梨地。
蜻蛉は銀丸粉と漆を用いた色蒔絵。 目玉と胴部に青貝の螺鈿。

角飾り: 黒檀の無垢材・漆・金粉・銀丸粉・梨粉・青貝
コンチョ: 真鍮
口金: アルミニュウム
ハンドル: 黒檀の無垢材・漆・金粉・銀丸粉・梨粉
ボディ: 姫路レザー牛革
錠前: 真鍮(ブラスに金メッキ)
lining/内張: 大島紬
Pocket: 西陣織